加齢を理由にするのはまだ早いのではないでしょうか?
『もう歳だから……無理すると迷惑かけるから……』
『加齢によるものだからと整形外科で言われた……』
『慢性的な痛みはずっと付き合っていかなくてはならないのかな……?』
『〇〇が痛いから〇〇するのを諦めよう……』
『もう歳だから……』
『もう歳だから……』
年齢ですべてを決めてしまうんでしょうか?
現在の日本の平均寿命の数値を2018/7/20の日本経済新聞から取り上げて見ます。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33208190Q8A720C1EA2000/
2017年の日本人の平均寿命は女性が87.26歳、男性が81.09歳で、ともに過去最高を更新したことが20日、厚生労働省の調査で分かった。16年に比べ女性は0.13歳、男性は0.11歳のプラス。過去最高の更新は男性は6年連続、女性は5年連続となった。男性は初めて81歳を超えた。国・地域別では、女性は昨年に引き続き世界2位だった一方で、男性は順位を1つ落として3位になった。
2017年の平均寿命が女性が87,26歳、男性が81.09歳となっています。
そこで注目されるのは「健康寿命」はいくつなのか??です。
数ヶ月遡る2018/3/9日本経済新聞から
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27899950Z00C18A3CR0000/
厚生労働省は9日、介護を受けたり寝たきりになったりせず日常生活を送れる期間を示す「健康寿命」が、2016年は男性72.14歳、女性74.79歳だったと公表した。前回(13年時点)と比べ男性が0.95歳、女性は0.58歳延びた。平均寿命との差も男女とも縮小した。厚労省は食生活の改善などが寄与していると分析している。
2016年のデータによると健康寿命は女性74.79歳、男性72.14歳となっています。
2016年のデータにまとめて比較してみました。
2016年厚生労働省調査 | 女性 | 男性 |
平均寿命 | 87.13歳 | 80.98歳 |
健康寿命 | 74.79歳 | 72.14歳 |
差 | 12.34歳 | 8.84歳 |
女性の年齢差は12.34歳となります。
男性の年齢差は8.84歳となります。
だいたい10歳として
0歳の赤ちゃんが小学4年生になるまでの間
介護を受けたり寝たきりになって過ごす日々を
『加齢のため』と受け入れられるのでしょうか?
「改善」を考えての行動は受動的なのか積極的なのかによって結果は変化すると思う。
『平均寿命と健康寿命』なんとなく耳にはするけど
聞き流している方が多いかと思います。
着実に時間は過ぎていきます。
よく言われる
『時間は有限である』
何もせずに過ぎていく時間があります。
しかし、整形外科へ行ったり
治療院へ足を運んだり
よいサプリメントを購入したり
評判の良いサポーターを購入したり
何かしら改善しようとアクションを
起こしているかと思います。
とても素晴らしいと思います。
「もう歳だから」という言葉を受け入れながら
まだやれる事はあると模索して改善しようと動いている
あなたの努力は決して間違えではありません。
必ず改善する方法は見つかります。
もう少し視野を広げてみませんか?
「もう歳だから」という言葉で行動自体が
受け身的な行動になってはいないでしょうか?
ほんの少し方向を変えることで
内容は大きく変わります。
受け身的な「〜してもらう」や薬や物まかせな行動から
積極的に自分から「〜する」という行動へ
変化させてみませんか??
身体の痛みを改善させたいという行動を「積極的な行動」に変えた患者さんの変化
当院に来院しているこちらの患者さんは
体操やテニス・野球が趣味で行っているのですが
左側の腰が何かある毎に痛め
ひどい時は年に数回ギックリ腰になったりと
腰の不安がずっとありました。
腰を痛めるたびに
「もう歳だからね」
「整形外科で加齢だから仕方ないって言われた」
「だからさ、よくならないからさ」
「よい薬はないの?」
「楽になるコルセットはないかな?」
「筋肉がつくあの機械っていいの?」
と物に頼ってしまう傾向がありました。
治療の方もギックリ腰を発症してから来院をする
というペースで治療にいらっしゃっていました。
治療の終了も痛みが減ってきたら
通院を辞めてしまい、
太鼓判を押してもう大丈夫ですよ
という段階まで至らない状態で
治療を終えていました。
「加齢」を理由に
身体のメンテナンスを行うことも
運動を行うことも、
無意味なのではないか?
と感じ取れる発言の内容が多かったです。
定年を迎えた数日後のある日
これから趣味を満喫しようと思っていた
そんな矢先にとても重症なギックリ腰を
やってしまいました。
この時も先に整形外科を受診して、
「〇〇さん
もう歳なんだから、無理しちゃダメ。
あんまり無理に動いたりしないように!!
体操やテニスなんかは控えてね」
とまた整形外科の先生に
「加齢」と言われたと仰っていました。
私は言いました。
「それは仕方ないと思いますよ。
整形外科の先生も今の〇〇さんの身体の現状を見たら、
スポートを控えた方が良いと言うと思います。
筋肉量も少ないし、身体も固いし
これでスポーツを行うとしたら、怪我しやすい確率は高いですから。
辞めた方がいいと仰るはずです。
これはあくまでも
『今の現状』と言うことですからね。
〇〇さんの今の行動を変えたら変わりますよ。
今の年齢でも筋肉は付きますし、
動ける身体にはなります。
今後、どうしますか?
この先は趣味のスポーツを行なって過ごしたいですか?
「加齢」と諦めて、新しく身体を動かさない趣味を探しますか?
キツイようですけど健康寿命を短くして平均寿命まで
寝たきりの可能性が強い生活を過ごしますか?」
と心を鬼にして〇〇さんに言いました。
「加齢ですよ」と言われる方は
まだ、やれることは沢山あると思います。
この「加齢ですよ」と言う言葉が
ターニングポイントなんだと思います。
この「加齢ですよ」の回数と言葉の意味は
今までの「自由に動ける生活」を
諦めますか(積極的に行動しない)
or
諦めませんか(積極的に行動する)
と言う選択肢が出ているんです。
と言うことは
「今のままなら年齢とともに身体機能は低下しますけどね」
「本当はまだまだやれるんだけど……」
「あなたのやる気次第で変われるのになぁ」
「言っても無駄かなぁ」
「今のままではダメだ!と言っても変わらないだろうなぁ」
と「諦め」を含めて何度も言われているのと変わりないです。
数日後の治療の際に
〇〇さんは言いました。
「やっぱり、いままでではダメってことに気づいたわ。
何言ったって身体は変わらない。
健康寿命と平均寿命の差がないのがいいね。
健康寿命があっての平均寿命。
平均寿命が来るまで
元気で周りに迷惑かけないで
楽しく余生を過ごしたいから
今できることをやろうと思う」
と仰っていただけました。
以前から「変わらなくては」と感じていた
〇〇さんはこの定年退職を境に一大決心を
されたようです。
積極的な行動に変わった患者さんの結果
その日を境に
治療とトレーニングメニューを組ませ頂き
徐々にレベルアップしていく治療計画を
立てさせて頂きました。
それ以来、〇〇さんは
月に2回の治療と
1回のファンクショナルトレーニング指導を行いました。
パーソナル指導の際にトレーニングメニューを作り
フリーで来院してもらい院の道具を使い
セルフトレーニングを行ってもらいました。
〇〇さんは有言実行をする方で
毎日セルフトレーニングを欠かさずいらっしゃいました。
しかし、
「キツイな〜〜」→「思っているよりキツくないっすよw」
「30秒だけでいい??」→「いいえ!しっかり1分やってください」
「これは4回でいいよね??」→「いいえ!10回です」
と漫才をしてるかのようなやり取りもしながら
トレーニングを行っています。
愚痴を言いながらもしっかりとトレーニングを続け
本当に素晴らしいと心から思いました。
私も愚痴を言いながらも
見習わなくてはと思います。
そして、
トレーニングを始めて2ヶ月後に
カウンセリングを行いました。
カウンセリングの結果
(2ヶ月後)
○朝起き始めの腰の痛みは全くない。
○夕方に毎日あった腰の痛みはない。
○活動的に動けるようになった。
○やりたいものが増えている。
○明日は料理教室とゴズペルを習いに行く
○次は野球とテニスを行う予定だ。
→
(2ヶ月前)
○朝起き始め腰が痛くて立ち上がるのに支障がある。
○夕方に毎日必ず腰が重くだるい感じが強い。
○腰が痛くてテニスもできないし、体操もできない種目も多い。
○痛みを早く撮りたい。
○少しでも腰に不安がない生活がしたい。
と当初の腰に不安だらけのカウンセリングと
2ヶ月後のカウンセリングの内容とでは
雲泥の差がありました。
不安だらけの状態から
やりたい事だらけの思考に
変わった〇〇さん
「加齢だから」
「歳のせいだから」
とネガティヴなことを言っていた
〇〇さんとは思えないくらい
「野球やテニスをしたい」と
前向きな意見を仰っていたことに
本人を前にしながら感動しました。
本当に良かったと思いました。
まとめ
「加齢のため」という言葉は
ネガティヴな呪文のように
唱えられると
意識も消極的になってしまいますよね。
しかし、「加齢のため」と言われ
それを肯定した時点で
年齢を理由にして
やらない理由を作っているのだと思います。
その方が楽ですからね。
しかし変化を求め
変わる意識を持てば
行動する力になり
なりたい自分の理想に
近づくことができると思います。
実際に私の目の前には
自分の理想に1歩ずつ歩んでいる
患者さんがいます。
その患者さんは
初めからポジティブな意識を持った
患者さんではありませんでした。
ごく普通な「加齢のため」を信じていた
消極的な患者さんでした。
ほんの少しのキッカケで
行動は変わります。
今回の記事に出てきた患者さんは
これから野球とテニスを行っても
怪我をしない身体作りを目指します。
〇〇さんこれからもよろしくお願いします。